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ピン芸人とコンビはどちらが多いのか?

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この記事で分かること

  • 芸人はピンとコンビ、どちらが多いのか
  • 所属事務所によって芸人の構成は変わるのか
  • テレビでコンビ芸人を多く見かけるのはなぜなのか

1.「芸人」といえば、コンビを思い浮かべませんか?

テレビのお笑い番組を見ていると、コンビ芸人がとても多く見えます。

サンドウィッチマン、千鳥、かまいたち、霜降り明星……。

一方、ピン芸人もたくさんいます。

では、実際にはどちらが多いのでしょうか?

ピン芸人とコンビ、芸人全体ではどちらが多いと思いますか?

テレビの印象だけなら、コンビが圧倒的に多そうです。

ただ、ここで少し気になることがあります。

コンビで芸人になるには、当然ながら相方が必要です。一方、ピン芸人なら一人でも活動できます。

もしかすると、テレビには出ていないピン芸人がたくさんいるのではないでしょうか。

そこで今回は、実際の芸人データを使って調べてみました。

2.まずはM-1とR-1を比べてみる

最初に、分かりやすいデータから見てみます。

漫才の大会「M-1グランプリ」と、ピン芸の大会「R-1グランプリ」の 2023 年エントリー数を比較します。

大会2023年エントリー数
M-18,540組
R-13,537名

M-1 の方が 2 倍以上多くなっています。

「やっぱりコンビの方が多いのでは?」

そう思いたくなります。

ただし、この数字をそのまま「コンビ芸人とピン芸人の人数」と考えることはできません。M-1 や R-1 には、次のような事情があるからです。

  • 芸歴制限があるため、ベテラン芸人は出場していない
  • 本業が芸人ではない人も出場できる

そこで、大会ではなく芸人そのもののデータを探してみました。

3.2,362組の芸人を調べてみる

今回見つけたのが、芸人の芸歴などを掲載している「芸歴.net」です。掲載されている芸人は 2,362 組でした。R-1 の 2023 年エントリー数よりも少ない数字です。

芸歴.net芸人の芸歴データベース。芸歴・年齢・出身地・所属事務所・賞レースの成績など、多角的なデータを収録しています。geireki.net

ここから、この 2,362 組をピン・コンビ・トリオなどに分けて見ていきます。

4.予想と逆の結果になった

まずは、2,362 組の芸人をピン・コンビ・トリオなどに分類してみます。

ピン芸人・コンビ芸人・トリオ芸人の割合を示した円グラフ
2,362組の芸人を、ピン・コンビ・トリオなどの形態別に分類した結果

さて、結果はどうだったでしょうか。

テレビで見る印象からすると、コンビが多そうです。

ところが——

実際には、ピン芸人の方がわずかに多い結果になりました。

「芸人=コンビ」というイメージは、少なくとも芸人全体のデータを見ると当てはまらないようです。

さらに、ピン・コンビ以外にもトリオが存在します。しかし、トリオは全体の 5%。テレビではトリオもよく見かけますが、芸人全体で見ると少数派でした。

5.では、なぜテレビではコンビが多く見える?

ここで新しい疑問が生まれます。

「芸人全体ではピンの方が多いのに、なぜテレビではコンビをたくさん見るのだろう?」

もしかすると、芸人の所属状況が関係しているのかもしれません。そこで次に、所属事務所を見てみます。

芸人の所属事務所別の構成を示した円グラフ
芸人の所属事務所別の構成。未所属の芸人も一定数存在する

最も多いのは吉本興業でした。

そして、もう一つ気になる数字があります。

25%が「未所属」でした。

そこで、芸人全体を「事務所所属」と「未所属」に分けて、もう一度ピン・コンビ・トリオの割合を見てみます。

6.所属しているかどうかで、結果が変わった

事務所所属と未所属それぞれのピン・コンビ・トリオの割合を並べた2つの円グラフ
所属芸人と未所属芸人では、ピン・コンビ・トリオの構成が異なる

ここで、はっきりした違いが出ました。

事務所に所属している芸人では、ピンよりもコンビの方が多くなっています。

一方で、未所属の芸人を見ると——

ピン芸人が71%を占めています。

これはかなり大きな差です。

つまり、芸人全体で見るとピンが多いものの、事務所に所属している芸人に限るとコンビが多くなる。

テレビで目にする芸人は、当然ながらテレビに出演している芸人です。そのため、芸人全体の構成と、私たちが普段テレビで目にする芸人の構成には違いがある可能性があります。

7.事務所によっても、かなり違う?

ここまで来ると、もう一つ気になります。

「芸人の形態は、所属する事務所によって違うのだろうか?」

そこで、事務所ごとにピン・コンビ・トリオの割合を比較してみます。

事務所ごとのピン芸人の割合を示した横棒グラフ
事務所内のピン芸人の割合
事務所ごとのコンビ芸人の割合を示した横棒グラフ
事務所内のコンビ芸人の割合

すると、事務所によって特徴があることが分かりました。

例えば、ピン芸人の割合が特に高く、コンビの割合が少ないのは太田プロダクションです。太田プロ所属のピン芸人には、有吉弘行、劇団ひとり、土田晃之などがいます。

一方、トリオにも特徴的な事務所があります。

事務所ごとのトリオ芸人の割合を示した横棒グラフ
事務所内のトリオ芸人の割合

トリオは全体では 5% しかありませんが、プロダクション人力舎では 10% を占めています。

人力舎はコントを中心とする芸人が多いことで知られているため、こうした事務所の特徴がトリオの割合に関係している可能性があります。

8.まとめ

  • 芸人 2,362 組を調べると、芸人全体ではピン芸人の方がコンビよりも多かった
  • 一方、事務所所属の芸人に限定すると、コンビの方が多くなった
  • 未所属の芸人では、ピン芸人が 71% を占めていた
  • 所属事務所によっても、ピン・コンビ・トリオの割合には特徴があった
  • テレビで感じる「コンビが多い」という印象と、芸人全体の構成には違いがある可能性がある

9.次に調べたいこと

今回の分析から、さらに気になる疑問が出てきました。

  • テレビに出演している芸人だけに絞ると、ピンとコンビの割合はどう変わる?
  • 若手とベテランでは、ピン・コンビ・トリオの割合に違いがある?
  • ピン芸人は、最初からピンだったのか? それとも元コンビが多い?
  • 所属事務所の規模によって、ピンとコンビの割合は変わる?
  • コンビ・トリオは、何年くらい活動を続けると解散しにくくなる?

「芸人はコンビの方が多い」という身近なイメージをデータで調べてみたら、思っていたより複雑な世界が見えてきました。

次は「テレビで見る芸人」に絞って調べてみると、さらに面白い結果が出るかもしれません。

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